プロデユーサーズ・ノート

三木敏悟 (作曲・編曲・指揮・プロデュース&ディレクション)
 とにかく,稽古量が凄い。何度でも何度でもやりたがる。自分の方から「今日はこのぐらいにして…」と言うのを一度も聞いたことがない。

 女優の市原悦子さんは,かつて僕にこう言った。「稽古を重ねてゆくと,ある瞬間ふと演劇の神様に出会うことがあるんです。そうしたら,あとは神様にかしずくだけ…」。『東京おかめ』が音楽の神様に出会うのは,そう遠い日でないことだけは確かだ。

 それにしても『東京おかめ』というのは剃刀のような感受性を秘めながら,どうしてあんなに可愛いんでしょうか?

 今回は4曲だけのマキシ・シングルだが,すぐにでもアルバムを作れるだけの材料もある。ジャス・ロック・ポップスから演歌や童謡まで,オリジナルだけでも数十曲あるだろう。今後の『東京おかめ』からは,全く目が離せない。

ミッキー吉野 (編曲・キーボード・プロデュース&ディレクション)
 はじめに『東京おかめ』と言う“人間力”から生まれる「然るべきエンタテイメントの世界」を挙げておきたい。

 何かしら一緒に仕事をしたり,同じ舞台に立つとき,いつもそれを強力に感じ,また学ばせて貰っている。「然るべきエンタテイメントの世界」とは,それが喜劇であれ悲劇であれ,あるいは極めて抽象的な演目であっても,感性の力学を理解体得しているエンタテイナーだけが作り出せる世界である。

 『東京おかめ』は声そのものが詩であり,エンタテイメントである。したがって,多くの“歌手”たちが一生懸命になって得ようとする「歌うテクニック」は全く不要であり,思うまま感ずるまま歌えば,それが正解であるという「然るべきエンタテイメントの世界」を持っているのである。

 僕には三つの自慢話がある。一つは美空ひばりの近所に生まれたこと。次に,あのサミー・デイビス・Jrに歌を教えたこと。そして最後に『東京おかめ』と一緒に仕事が出来たこと。

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